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オークション形式のアップグレード、Bid My Price

2024-07-22

「アップグレードしませんか」のスクリーンショット

ある日、ANAから1通のメールが届きました。「ご予約のフライトをアップグレードしてみませんか?」と。以前から、ANAの入札形式アップグレードのことは知っていましたが、白羽の矢が立つのはお初でした。良い機会なので、調べつつ記事にしてみました。

この記事で分かること

・Bid My Priceとは
・プレミアムエコノミーとは
・入札及び注意事項
・搭乗に際して

Bid My Priceとは

ひとことで表せば、プレミアムエコノミーへのアップグレードを入札によって判定するサービスです。当然ながら、プレミアムエコノミーに空席があることが最低条件です。
対象者は、メールでお誘いがかかった人だけであり、そのお誘いがかかるためにはANAのサイトでエコノミークラスのチケットを購入している必要があります。エクスペディアなどのOTAでの購入は、対象外です。

なお、ANAのサイトには、説明が以下のように書かれています。

エコノミークラスのフライトをご購入いただいた後に、プレミアムエコノミーへのアップグレードができる入札サービスです。通常、専用運賃の購入でご利用いただけるプレミアムエコノミーを、出発直前の予約状況と、お客様ご自身で入札いただく金額に応じてアップグレードさせていただきます。

https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/bmp

出典:ANA Bid My Priceのページより

実際には、搭乗の1週間前にメールでお誘いが届きました。今回はビジネスクラスへのアップグレード待ちであったため、私はお見送りしましたが、例えばステータス修行でアップグレードポイントを使い切った(または足りない)時などには、ローコストでプレミアムエコノミーへのアップグレードが見込めるので、活用の場面はありそうです。

とはいえ、既存の上級会員には不評なようです。以前はダイヤモンド会員を対象にして、搭乗日当日にプレミアムエコノミーの空きがあれば無償アップグレードしてくれるというサービスがあったのですが、今はなくなっています。この制度導入による影響なのかは分かりかねるのですが・・・。

プレミアムエコノミーとは

そもそも、ANAのプレミアムエコノミー(以降、PY)とは何なのか?それを知らないと入札するか否かの判断もできない、または判断がしにくいでしょう。
以下で、簡単に比較してみました。

 エコノミーPY
搭乗手続き通常のカウンターPY用のカウンター
手荷物優先順位が低いPriorityのタグが付き、エコノミーよりも早くターンテーブルへ出てくる
ANAラウンジの利用不可可(フード・ドリンク・シャワー等)
シートピッチ34インチ/約86cm38インチ/約97cm
機内食エコノミー用の食事PY用の2種から選択可、ビジネスクラスのアルコール類やデザートの提供あり
降機※1遅いエコノミーよりも早い可能性が高い※2

前提:対象者はステータス無し、搭乗手続きは有人カウンター利用、機材はB787-9にて比較
※1:原則、上位クラスから搭乗・降機。クラスの順序はファースト > ビジネス > プレミアムエコノミー > エコノミー
※2:機材の構造上、エコノミーよりも前方でドア寄りに配置されているため。優先搭乗・降機のサービスは無い

ANA プレミアムエコノミー紹介ページ

位置付けとしては、エコノミーとビジネスの中間であり、”ビジネスはお高いので無理だけど、ちょっとお金を出して良い(広い)席にしたいなぁ”というプチ贅沢に対するソリューションとなっています。ANAのみならず、世界各国の航空会社で導入されており、しっかりと航空機での地位を確保しています。

入札の流れ

それでは、入札の流れです。金額が高ければ必ず落札できるわけではないので、ダメで元々くらいの気持ちで行うことをお勧めします。理由は後述します。

実際のアクション

入札時のスライダーと、入札成功の可能性を示すインジケーター
  1. Bid My Priceのお誘いメールが届く
  2. メール内の「入札形式のアップグレードに申し込む」というボタンをクリックする
  3. 「入札」という項目にある左右に動かせるスライダーで金額を設定する
    *私のケースでは、21,000円~60,000円でした
  4. 画面右下の「次へ」を押下し、支払い情報の入力画面(カード決済)で必要事項を入力する
  5. 出発の24時間前までに結果がメールで届く
    ┗成功:4.で設定したクレジットカードから入札金額が決済される
    ┗失敗:当初のエコノミークラスの座席での搭乗となり、入札金額の決済は行われない
  6. 搭乗当日は、PYでの手続き・搭乗となる

注意事項

落札に水を差すわけではないのですが、注意事項がありますので記載しておきます。

金額が高ければ必ず落札できるわけではない

入札は、入札額の高い順に落札されますが、その決定要素は金額だけではないそうです。ANAの案内ページには、

航空券の予約クラス、ANAマイレ-ジクラブの会員ステイタス、入札実行日時の優先順位に基づき、アップグレードを確定いたします。

と書かれているからです。つまり、最高金額を入札しても「予約クラス(マイルの積算率等によりエコノミークラスだけで16種類もある)」、「ANAマイレージクラブ会員か否か、またそのステータス」「入札のタイミング」などで変わってしまうということです。

アップグレードに関する注意事項
出典:ANA公式サイト Bid My Priceのページ

更には、

入札締め切り時点でのプレミアムエコノミー予約状況により、アップグレードを承ることができない場合があります。

とも書かれており、「有償でPYのチケットを誰かが購入して満席となった場合などは、空席がないのでアップグレードができかねる」ということです。

意外と制約もある

PYへのアップグレードが確定しても、意外と制約もあります。次に要約をを記載します。

・PYの座席指定はできない(空席状況によっては、出発時刻の24時間前からオンラインチェックインにて座席の変更が可能な場合あり)
・エコノミークラスで隣席指定(2人並び等)をしていても、PYとなった時に隣席保証はされない
・アップグレード確定後に、エコノミークラスへのダウングレードはできない
・マイル積算、ANAプレミアムポイント積算、行程の変更可否は、入札前に購入した航空券に適用されている運賃規則に基づく(アップグレードされても、マイルやプレミアムポイントの積算率、予約変更の可否などは変わらないということ)
・旅程開始国が日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンのいずれかであること

注意事項全般は、以下の通りです。

アップグレード後に関する注意事項
出典:ANA公式サイト Bid My Priceのページ

チェックイン~搭乗~降機まで

無事に落札し、座席や積算率なども問題なし!となれば、あとはPYを堪能しましょう。

チェックインカウンターはPYと書かれたところを利用できるため、エコノミークラスと比べて待ち時間は圧倒的に短くなるでしょう。何故ならば、座席数が少ないからです(機材により14席または21席)。

羽田空港第3ターミナルのラウンジ案内表示

出国を済ませた後は、ANAラウンジで過ごせます。用意されているフード・ドリンクの飲食や、シャワーやソファなどを自由に利用することができます。

プレミアムエコノミーのシート

搭乗した後は、幅=約49cm、ピッチ=約97cmというゆとりのあるシートが待っています。レッグレスト・フットレスト(PY1列目はレッグレストのみ)、11インチモニター、大型テーブルなどが備わっており、選べる食事やビジネスクラスのドリンクやデザート(余剰がある時のみ)を楽しめるので、航行中も快適に過ごすことができるでしょう。

そして目的地に到着した際の降機は、上級クラスから順に案内されるため、全搭乗者の中でも前半に終えることができます。ということは、つまり入国審査や乗り継ぎといった降機後のアクションが早く行えるというメリットがあります。

最後に

Bid My Priceのお誘いメール

Bid My Price。入札形式のアップグレードサービスです。

搭乗の1週間前に、搭乗する便のPYに空席があり、所定の条件をクリアした時にのみメールでお誘いがかかるというものです。今回は、私自身に初めてお誘いがかかったため、記事にしてみました。

結論としては、お誘いも含めて運任せということになるのですが、6時間を超えるような中長距離便(東南アジア、欧米、オセアニア路線)ならばアップグレードを狙いにいく価値はあるのではないでしょうか。

機会があれば、楽しみながら試してみてはいかがでしょうか。

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KAMASA

学生時代は添乗員に憧れていましたが、個人的な事情により断念。社会人となり妻と出会い、旅への想いが再燃。日本国内・海外を問わず旅行が好きなのだと再認識しました。妻から陸マイラーや修行僧のことを聞き、行動するようになりました。但し、うちにはワンコ2頭がいるため、修行は弾丸/タッチ系が専らです。2018年にANAダイヤモンド会員となって以来、継続中です。コロナ禍により国内旅行が主となり、飛行機よりも電車旅が増えています。スターバックスコーヒーの全店制覇を目指したり、全国のモンベルショップへ立ち寄ることもしています。

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